こけら寿司作り体験・こけら寿司の歴史・こけら寿司の作り方
こけら寿司作り体験
こけら寿司を一緒に作りませんか? 体験で作ったこけら寿司は試食できます。
試食の際は、主に地元の食材を使ったおかずと汁物が付きます。
時間 10:00~13:00(土曜のみ)
料金 1人3,000円(3名から)
予約 7日前
所要時間 約3.5時間
野根キッチン ☎ 090-7542-4435(小林)
こけら寿司の歴史
元治元年(1864年)野根の北川家の記録には、出産祝いの見舞いの品に、「酢 鈔鉢入 但こけら上仕成味よし」(寿司、皿鉢に盛り付けたこけら寿司 大変よくできていて味がよい)などと書かれ、こけら寿司は、客人を迎える饗応の場だけでなく、慶事見舞いのためにも使われていました。東洋町では、各家庭に1つはこけら寿司の木枠があり、味とともに代々受け継がれていました。大きなこけら寿司になると寿司桶(木枠)を外すのに結構な力も必要だったためか、昔は名留川(東洋町野根)ではこけら作りは男の仕事と言われていたこともあったようです。
こけら寿司の名前の由来は、上に敷き詰める具材が木の切れ端(こけら)に似ているという説や何段にもなった酢飯と酢飯の間の薄い板がこけら葺きの屋根に似ているという説など諸説あります。
1980年代頃は各種祝い事の際に家庭でこけら寿司も作っていたようですが、徐々に結婚式場や宴会場などを利用するようになり家庭での祝宴が減少していきました。それに伴い家庭でこけら寿司を作ることも無くなってしまった。
家庭でこけら寿司を作ることが少なくなり、その後婦人会等や個人がこけら寿司の製造販売を行ったりし、2002年に野根の野口登志恵さんが冷凍こけら寿司の製造販売を開始。
2005年には野根キッチンがこけら寿司の製造販売を開始。現在、継続的にこけら寿司を製造販売をしているのは野根キッチンのみとなっております。
1939年(昭和14年)野根のお祭り後の慰労会の写真。
左下の皿にはこけら寿司も盛り付けられています。
1975年(昭和50年)野根にある丸岡家の結婚式の皿鉢料理の写真。
左に見えるアマダイの姿寿司の下にこけら寿司があり、丸い人参の赤色が少し見えています。
こけら寿司は皿鉢の土台でした。
当時は自宅で結婚式をすることもまだ多く、その場合親戚など大勢で集まって皿鉢を作っていました。
皿鉢の準備が終わって皆が集まって談笑している様子。
それぞれの担当した料理等についての話はとても楽しかったとのことです。
こけら寿司の作り方
◻︎家庭で作りやすいレシピを紹介します。
材料 (米5合分)
米 5合
鯖 250g
人参 中1本
人参の葉 2枚半
干し椎茸 5枚
卵 1個
A 酢にごし
ゆず酢 125cc
塩 大さじ1
砂糖 30~50g
うま味調味料 少々
1 椎茸は水戻しして石付を切り落として、砂糖、醤油、みりんで甘辛く煮る。
2 人参は皮を剥き丸のまま少量の塩を入れて下茹でした後、だし汁、砂糖、醤油で甘めに味付けし、最後にみりん少々を入れ仕上げる。
3 卵は砂糖、塩で味付けし薄焼き卵にする。酢飯の上にのせる具材は、人参は輪切り、椎茸は薄切り、卵は短冊切りにする。
4 鯖を焼き、身をほぐして血合いや小骨を取り除いて、Aの材料と合わせて酢にごしを作る。
5 炊き上がったご飯に、調味料と酢にごしを入れて酢飯を作り、冷ましておく。
6 ご飯が冷めたら寿司桶(木枠)の内側にゆず酢を少し塗り、酢飯を平均に入れ、具材をのせる。
7 間にへだいたを挟み、その行程を繰り返し幾重にも重ねて詰める。
8 重石をのせて1時間ほど置く。
9 木枠を外す。
10 食べやすい大きさに切り、お皿に盛って出来上がり。